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しかしまた、遺伝と言っても何から何までその通りに、親の姿そのままで遺伝するのではない。父と母が二人で子供を作るのだから、どちらにも似た者ができるのであって、どちらか一方、または、どちらとも全く同じものが子供として出来上がるというのは、現実にあり得ないことである。 では、いったい何が遺伝されるのか。 それはすなわち、潜在的な可能性に過ぎなかったものが遺伝されているということである。この遺伝によって、ほぼ似たような器官や形状、身体のサイズや構造が出来上がるのである。 そしてその中の無限の潜在的な可能性の中から、ごく一部分だけが、環境とのかかわりの中で導かれてくるのである。しかし、これ自体はあまり重要なことではなく、大事なことは、それが持つ個体としてのズレ、誤差、揺らぎ、歪みといった些細な不具合のことなのである。 |
戻る。 続く。
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2019-0408-0411