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6、記憶の痕跡


象徴と印象の世界とはこのことなのである。また、これが私たち人間にとっての感覚の世界なのである。すなわち、必要に迫られて錯覚し、思い込み、そしてこれが果てしなく誇大拡張されてゆくのである。

見える現実世界の輪郭とあり様があちらこちらで途切れて、めくれて、剥がされて、つぎはぎだらけになって、歪み、ズレて、揺らいで、そしてその中から何か得体の知れない痕跡やカケラみたいなものが見えてくる。

これは自分の中で失われた記憶のカケラなのである。それは、いまとなってはどうでもよい、そんな過去のささいなものが、むりやり自分の中で繋ぎ合され、それが他の何かのすがたとイメージを借りて現れ出てきているのである。

戻る。             続く。

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2019-0411-0417