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それは自分の中の、無意識の本能と衝動の世界を見ている。自分を活かし動かしている、そうした精神のもっとも奥底にある、得体の知れない世界を見ている。自分自身の肉体が持つ、肉体自身の記憶の世界を見ているのである。 そしてこれが、自分の感覚が自分に対して持つ意味なのである。自分の感覚を通して、自分自身の記憶の世界を見ているのである。そしてこれが、自分にとっての現実との係り方であり、そしてまた、現実が自分にとって持つ意味なのである。 私たちが見るもの、聞くもの、触れるもの。それは、実は私たちの祖先が作り上げてきた感覚の世界であり、また、その結果なのである。そしてまた、それは種としての現実との係り方を示したものなのである。そしてそれを制約し、条件付け、方向づけているのである。 だからまた、私たちは自分自身の感覚の中に、自分自身の種の起源と、そしてまた、自分自身の存在というのを見ている。自己の存在の必然性と、自律性と原理といったものを見ているのである。 |
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