index< 日誌 < ag儒教< 23c-93共感9 「首領様」p6 |
自分の良心というのは、あくまで、どこまで行っても目上の者たる権力に対する忠誠心だけなのである。そして、これだけがすべてなのである。従って、ここにはもともと自分自身などといった概念そのものが存在しないのである。 だからまた、どんなことでも出来るし、何をしても恐れないし、痛みや苦しみも軽くて済むし、また、自分自身に対する、本当の意味での悩みといったものが、初めから存在しない世界なのである。 だからまた、これがおぞましく野蛮な世界なのである。精神の自由などどこにもない。そうした人間としての無限の苦しみと悩みから解放された世界なのである。もしくは、それ以前の世界なのである。 |