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1、春。


春は、
カスミとモヤで地表面から上空へ向かって薄い水蒸気が立ち込める。まだ冷たい地表の空気と直射する太陽光の熱によって、地表面から水蒸気が上空へ昇って行く。

「昇る」というのは、春の地表面の水蒸気のことである。凍てついた地表面が、春の陽気で融けて水蒸気となって蒸発して、上空へと昇って行くのである。そしてこの水蒸気が風景全体を白っぽく見せているのである。

秋は、反対に、寒く乾いた空気が上空から地表面へ降りてくる。夏から秋へ感覚の転換が求められるのである。そして、実際にそうなのである。そしてこれが見える景色全体を、少し薄暗い灰色がかった印象にしている。

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2019-0505-0507