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そして、このような暗さといったものに対して何も感じなくなっている。これが日常であって、避けることも、逃げることも、抵抗することも出来なくなって、そうして沈んで無抵抗に落ち着いた世界である。断念して諦めた世界である。 これは自然の流れなのであって、逆らうことの出来ない世界なのである。そしてこれが、秋の風景が人間の心理にもたらす、降(おり)るという印象の世界なのである。だからそれは、明瞭でも活動的でもなく、どこか薄暗く、陰にこもってしまったような世界である。 そしてこれは、夏の活発と陽気と情熱が終わった後の世界なのである。そしてまた、世界中の何もかもが閉じて沈む、冬の前の前兆の世界なのである。 |