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「降(くだ)る」というのは、閉じて、沈んで、潜って行く。暗い、下がる、孤立し、閉塞し、空(うつ)ろになって行く。降るのは、重力の法則なのである。それはどうにもならないことなのである。だからまた、どうでも良いし、あきらめるしかない、だれにも逆らうことの出来ない、不可抗力なのである。 そしてこのような暗い、どうにもならない谷間の奥へと向かうのは、何もかも望を捨てて永遠の安らぎを求めてである。沈んで行く。あるいは、萎えて、衰えて、抵抗を断念して、自然の流れに身をまかす・・・、そうした感じである。要は、沈みこんだ憂鬱が常態化した世界である。 |