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10、自己の根源。


そうして、この直感や本能といったものが現実の風景の中に、あるいは過去の出来事の記憶の中に、あるいはまた、それが異性の未知の世界に暗示し示唆されていて、それが何かしらのサインや象徴として感じられてくるのである。

たしかにこれは、意識や思考を無視した直感的な情緒の世界なのである。そしてこの情緒といったものが、現実というものを自分にとって何か意味あるものとして、観念の世界の中で象徴化し、記号化・サイン化しているのである。そして、たしかにこれは、直接的で直感的な本能の世界なのである。

それは言わば、自分自身の肉体内部の情緒の営みを通して、遠い祖先の記憶の世界を見ているのである。あるいはまた、民族のタマシイの世界を感じ取っているのである。肉体の生理の営みの中に、自分自身のタマシイの根源を見ているのである。

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2019-0507-0511