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しかしまた、このような情緒と感じ方の世界といったものは、直接的で直感的な世界でもあって、自分の考えや意識をも無視して素通りして、あるいはそれに反してさえも自分に迫ってくる。 理由なき衝動や、あるいは美意識やあこがれといったものがそうなのである。原因不明の恐ろしさや身体のわななきもそうである。あるいはまた、種や民族や国民としての気質や気性の違い、といったものもそうなのである。 そして、たしかにこれは、直感的で本能的な非現実の世界なのではあるが、それが自分自身の情緒の世界に入り込んでいて、それが自分を支配し導いているのである。 |
戻る。 続く。
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2019-0507-0511