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こうしたことはまた、考古学で言うところの壁画の模写についても言える。見て触れるだけでは実際のところ何も分からないのである。実際に自分のカラダで、自分の指先で描いてみないと何も分からないのである。 遠い昔、それを描いた人間の呼吸や心臓のリズムといったものが、実際に自分がそれを模写してみないと伝わって来ないのである。それは指先を通して、自分自身の呼吸や心臓の鼓動と血液の流れとして、自分の中の肉体の営みとなって始めて伝わってくるものなのである。 それは意識以前の情緒のリズムとでもいったものなのである。情緒のリズムでもってそれを感じ取り、また、見ているのである。現実に見えないものを、自分の感覚の感じ方の中に見ているのである。 |
戻る。 続く。
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2019-0513-0516