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変わることのない日常の世界というのは、あくまでも自己の内的な世界なのであって、自分が変わることなく自分であり続けるというのは、飽くまでも観念的な精神の世界がそうであり続けるのである。 このようにして生活の様式や生き方が変わっても、自己の精神は何も変わらないということである。これは日本人が明治維新と終戦を通してその暮らしが大きく変わったにも関わらず、その精神において何も変わらなかったのと同じである。 また、そうでないと、自分が誰なのか分からなくなる。自分を見失い、自分が自分で無くなってしまう。自己の存在の理由と、生きている意味を喪失してしまう。「変わらない」というのは、自己の原理や必然性がそうなのであって、そうした自己の自律した主体性がそうなのである。 外面的な体裁がいくら変わっても、その中身は何も変わらず、変わりようがないということなのである。そしてそれ自体がまた、自己の肉体内部の生理や神経の作用の特性がそうなのである。それは、自分にしかないオリジナルなものなのである。 |