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そして、しかしまた、このような自覚と意識こそが歴史の発展と創造、発明と発見の原動力になっていたのである。 自己の内部での、このような精神の分裂こそが、それをせずに居られないように人間に迫ってきて、そして強制しているのである。自らが、自らの変異を強く求めているのである。精神は、自己の分裂と破壊の危機的状況にあって、それから逃げるためには、そうするしかないのである。 あるいはまた、不思議で不可解な違和感といったものが自分を包み取り囲んでいて、そしてそれが自分をして否応(いやおう)なく何かへと、予め定められていたかのように自分を導き強制してゆくのである。 それが様々な場面で、何か言い知れぬ根源的で本能的な衝動として、自分をとらえて放さず、そして理由も分からないまま自分を強制して行くのである。 |