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もしかすると、何もかもがそうなのかも知れない。未知のものと遭遇した場合、私たち人間は、このようにして自分に納得する以外に無いではないか。また、それ以外の理解の仕方というのを、人間は知らないのである。 これは、自己保存の本能とでもいうべきもので、この場合、出来事の正否や善悪といったものは、どうでもよい二次的なものであって、要は、自分が自分であるということを、何よりも明確にする必要に迫られているのである。 それなくして、自分というのが破壊されてしまうからである。だからこうした場合、なにが何でも早急に結論を出さねばならず、それが、その場その時の偶然と思い過ごしだけで信じられているのである。 |