index< 日誌 < ar象徴< 24a-86 「遠近感」p10 |
しかし、ここで問題になるのは、それがこのように思われているという事実ではない。問題は、なぜこのように感じられるのか、ということである。 そのように思えてもくるし、感じられても来るというのは、詰まるところ、数百数千年にも渡る馴れや習慣から来ているのである。無数の世代に渡って繰り返されてきた習慣とその生活様式といったものが、人間をして、そう思わせているのである。そう思うことを求めたのである。 くり返される偶然といったものが、いつしかそれがなくてはならない、不可欠の必然の要求となっているのである。その始まりは、ただたんに生理的な偶然に過ぎなかったものが、いつしか身体内部の不可欠の一部分となっているのである。そしてそれが、いつしか常識となり、自分たちが信じて止まないものとなっているのである。 |