index< 日誌 <p変異< 24b-11「遺伝の変異」P5 |
現実の肉体の形状が同じであっても、またその構造や機能が同じであっても、クセや習性といったものだけが遺伝することがある。これは肉体のカタチの遺伝が原因なのではなくて、その用い方、作用の仕方、言わばソフトウェアとして、それが伝えられ遺伝しているのである。 それはまた、そうやって、例えばある一つの既存の身体器官といったものの機能や役割といったものが、まったく別の機能に移り変わることがあるということである。 たとえば、呼吸の障害から逃れるために気管から発せられた「発声」といったものが、叫びや、唸り声や、脅しの表情となって、あるいはまた、現状を是認する嬉しさや喜びのサインとなって、そしてこれが群れ内部のコミュニケーションとなり、そしてより高度な言葉や思考の手段となっていったのもそうである。 四足獣が二本足になったのもそうである。魚のヒレが手足に変化し、そして翼(つばさ)となっていったのもそうなのである。 |