index< 日誌 < p変異 < 24b-19文明のバランスB 「暗示」p5

1、失われた記憶。

最初、目的意識的かつ意図的に行われていた行為や動きといったものが、常時反復継続して行われることによって、しだいに何も考えずに簡略化され、条件反射的に繰り返され、そうしていつしかその意味や目的といったものまでが、曖昧でワケの分からないものになって行く。

記憶といったものが、どこかで途切れている。忘れられ失われている。しかしそれでも、ただその断片や痕跡としてだけ思い出されてくるのである。まるで何かの陰影のように。

しかし、それがいったい何の記憶なのか自分でも分からず、知りようもないまま、まとわりついてくるのである。そして、こうしたことが暗示や象徴なのである。記憶というのが、すでに現実の具体的な事実から切り離されていて、失われているのである。そして何か不可解で得体の知れない印象としてだけ自分にまとわりついてくるのである。

履歴へ                続く。


index< 日誌  p変異 < 24b-19文明のバランスB 「暗示」p5
2018-0710-0715