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自分の中にあって、それが自分であるにも関わらず、自分でもどうにもならない、そうした自分の中にある別世界での出来事なのである。しかしまた、だからこそ私たち人間は、それに気づかず知らぬままで、それに支配されているのである。 そして、実はこれこそが本当の自分、自分自身のアイデンティティーであって、自分が自分であることの根拠になっているのである。なぜなら、それが無意識であるということ自体が、自分を意識以前のところで支配しているからである。 私たち人間はそのようにしかなれず、また、初めからそのように出来ている。そしてまた、そのような者としてこの世に生まれ出てきているのである。 |