index< 日誌 < aj情緒 < 24b-28情緒B 「自己認識」p5 |
生理や神経や筋肉といった、自分自身の中にある肉体内部の作用といったものは、実は、数千数万年に及ぶ自分自身の中の、意識されざる無意識の経験と記憶の世界なのである。失われて行く自己の現実の記憶を、このような自己の生理の仕方として保存して来たのである。 だからまた、これから離れたところに人間の存在などあり得ず、自分が自分であるとは言えないのである。自分というのは、そうした過去の祖先の記憶の世界の上に成り立っているのである。 記憶といったものが世代を越えて、肉体内部の神経と生理の作用の仕方として保存されてきたのである。そして、これを私たちは情緒と言っているのである。そしてまた、こうした「情緒」の地平の上で始めて、私たちの信仰や文明、あるいは民族や歴史といったものが成り立っているのである。 |