index< 日誌 < au錯覚< 24b-44思い込みG 「感覚の誤解」p7 |
だから、記憶を探り当てるときに、どうしても偏見や思い込みが入ってくる。また、これを観念の世界で再構成するときにも、その仕方や方向、意図や、あるいはまた、その性癖の傾向としても作用してくる。 だからまた、現実に無いものが見えたり、あるいは聞こえたり、触れているなどとも思えてくる。そしてまた、それが実際に感じられても来る。感覚が感覚自身で妄想している。そして感覚が感覚にウソをついている。 しかしまたそれは、自分の肉体の中で受け継がれてきた感覚自体の、自律した営みの結果なのである。感覚が感覚だけで、現実を無視して勝手に反応しているのである。感覚が、感覚の世界の中で迷走し一人歩きしているのである。 |