index< 日誌 < aw色< 24b-74みずいろA 「氷」p3 |
ひとことで言って、このような氷の切り口や割れ目の奥に、青白い人の影のようなものを見てしまうのである。覚めて、どこまで行っても届くことのない、そしてどこまでも、いつでも付きまとってきて離れることのない、青白い影のようなものを感じてしまうのである。 それは私自身の心の奥の方で、いつも忘れられていて失われたままの、まぶしく怪しく輝き続ける光の色なのである。果てしなく無限の決して届くことのない、そうした覚めた、人を寄せ付けないような色なのである。 そうしたことが氷の白く透明な、そして限りなく遠くの世界にかすかに見えてくるのである。すでに忘れられ失われているにも係わらず、心の奥のどこかで姿カタチを変えて生き続けているのである。 まるで、氷の中の奥の方で仄かに見え隠れする、青白いシルエットのように。自分につきまとってきて離れることがないのである。 |