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2、祈り。

自分を呪い祟る悪霊や、残酷で野蛮な際限のない心の闇の世界からの解放を求めて、そうせざるを得なかったのである。ばらばらで孤立し目的も理由も見えず、感じることもない、閉じた心の暗闇からの救いを求めてそうしたのである。

自分というのを、他人との、そして人間社会という共通の枠の中で交流し、交感し、共有しようと目指したのである。またそうしてのみ、自分にとっての自分の意味や理由といったものが見えたのである。

自分が生きていることの意味や願い、祈りや、そしてまた、自分にとっての「信じるもの」、信仰といったものを求めることが出来たのである。また、それが感じられ、意識もされ、自覚もされたのである。人類は、そうやって自分たちが生きて行く方向を見い出したのである。

それ以外に選択肢が無かったのである。そうやって始めて、人間の生活といったものが何か意味のある歴史となったのであり、また、後世の子孫に伝えられ、残され、また、蓄積されて継続して行く文明となり得たのである。それ以外になく、そうして始めて人間が人間として歩み始めたのである。

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2018-0816-0825