index< 日誌 < y肉体 < 24c-06種の記憶A 「歴史上の概念」p8 |
それは自分のことでありながら自分でもどうにもならない、自分の預かり知らない、他者たる祖先からの絶対的強制力なのである。そうした意味で私たち人間が生きて存在しているというのは、それ自体がすでに拘束されていて、条件づけられ、強制され、そしてまた、それへと方向づけられているのである。 まるで、鉄道の線路のように。生物の歴史上、様々な種といったものが、その線路上で栄華盛衰を繰り返し、滅び、そして特定の限られた種だけが残ってきたのである。 見えない線路によって、それへと上手く乗り継いできた者だけが生き残っているのである。言い換えると、つまり、あらかじめ方向づけられ、設定された存在なのである。 |