index< 日誌 < y肉体 < 24c-06種の記憶A 「歴史上の概念」p8 |
このような絶滅は、数年数十年の短い期間でも十分にあり得るし、そしてまた、数千数万年単位で見ると、むしろこれが一般的で普通の当たり前の歴史なのである。もともと自分の「性に合わない」といったことが多々あるのである。適応できなかったのではなくて、適応を辞退したのである。 自分を偽って、自分に合わないことをして、自分を捨ててまで長生きしたいとは思わないのである。自殺のような自分で命を絶つのではなく、自然死に近い状態で緩やかに、ほとんど気づかれることなく数千数万年かけて、ゆっくり種族として消えて行くのある。 だからまた、それで自分も納得もできるし、それが普通のことのように思えてもくるのである。しかし、それでもやはり、それは自分が選んだ道なのである。変異を拒んだのである。そして、過去の消えて行った文明や種族は、たいていそうだったのである。それは言わば寿命だったのである。 |