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見知らぬ得体の知れない、もう一人の自分が、いつもどこかで自分を見つめている、そう思えてくるのである。そしてこの得体の知れないもう一人の自分こそが、本能的な直感が暗示する祖先のタマシイとでもいったものなのである。 それは、いまはどこかで失われてしまった、自分自身の中の肉体の記憶なのである。そうした自分自身の中にある根源的なタマシイとでもいったものが、現在を生きる自分自身に対して異議申立てをしているのである。 そしてそれがマボロシや幻覚として現れ出てきて、映し出されているのである。 |