index< 日誌 < y肉体 < 24c-12種の記憶G 「外の世界」p6 |
そうした客観性や現実性を無視した世界、あるいは、それが通用しないか、そんなことはどうでも良いような、そんな世界。それは現実とは別の世界なのである。客観性も現実性も通用しない、そんな別の世界なのである。 私たちが生きている、この現実との接点を欠いた、そんな世界なのである。そしてそれが何かの偶然の重なりとキッカケでもって、何かの間違いや錯覚で、一瞬あらわに映し出されて来て、そしてそれが一瞬だけ現実の中をかすめ通って行くのである。 その瞬間に何かが軋んで歪み引き裂かれて、その奥から一瞬何かが剥き出しになって、こちらを覗いているのである。そして、すぐにぼやけて消えてしまうのである。何ごともなかったように跡形もなく、何の証拠も痕跡も残さずに消えて行く。 |