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4、脅威。

このようにして、見える現実世界の何もかもが無視されて、直接自分の心の中を覗き込んでいるのである。望みや願い以前の居たたまれない精神の分裂とその脅威が、自分にとっての現実というのを、直接目に見える姿として映し出しているのである。

自分の中で閉じ込められていた純粋の苦しみや悩み、怒りや恐れといったものが解き放たれたのである。こうしたことが、現実世界の暗がりや闇の奥の、悲しくさみしげな物かげなどから見えてくるオバケの世界なのである。

これは分裂した自己の精神が、恐怖と、そのおびえの中から作り出した錯視と誤認と、そして幻覚の世界なのである。

戻る。              続く。

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2018-0923-1002