index< 日誌 < ai原理< 24c-56遺伝と適応I 「祖先のたましい」p5 |
しかし、それではこの与えられた肉体の中で営まれる、神経と生理の作用の仕方はどうだろう。それは予(あらかじ)め与えられたものでもなければ、また、自分で獲得したものでもない、そのどちらとも言えないものなのである。 言い換えれば、それを通して自分自身の肉体の記憶の世界を見ているのである。あるいは、自分で自分の過去の世界を見ているのである。自分と自分の祖先が獲得して来た感覚の感じ方の世界を見ているのである。自分自身の情緒と感性の世界を目の当たりにしているのである。 そしてこれが自分自身の記憶であり、歴史であり、そしてまた、制限され条件づけられた、それ自体で自律し完結した自己の必然性の世界なのである。 |