index< 日誌 < s設定 < 24c-88「寒い」p5 |
なにも感情が乾いているとか、無表情だとか言うのでなくて、ただ感情の表現というのが肉体の生理上の都合から、表面に出にくくなっているのである。寒さは、肉体を内と外から圧迫し、血行が鈍く遅くなっている。 しかし、もしかすると第三者から見ると、ただそう見えるだけなのかも知れない。だれだって生活の糧が極端に少ない所で生きて行こうとすると、何ごとにも慎重にならざるを得ない。 そしていったん行動を始めたら、何がなんでもそれで生きて行かねばならず、また、肉体の生理上からも、ただひたすら寒いとあれば、行動を控えてエネルギーの消費を抑えて、感情を押し殺して冷静になってしまう。そしてまた、そうした生活の行動様式と気質・気性といったものが定着する。 |