index< 日誌 < s設定 < 24c-95象徴の世界 「限界」p8 |
そうは言っても、霊やオバケというのは、確かに少し極端な例えなのかも知れない。しかし要は、それと似たような忘れられ、失われ、消えて行った、そうした感覚が私たちの中にたくさんあって、そして実はそれこそが、自らの変異や変化の根底にあるのであって、そしてこれこそが私たち人間の無限の可能性の源泉になっている、ということである。 たとえそれが願望や恐れ、あるいは底なしの怯(おび)えというのが生み出した幻想や幻覚に過ぎないものだとしても、そうなのである。それは自分の中の精神が生み出したものなのである。 私たちはただそれを知らないだけで、また知ろうともせず、あるいはただ見て見ぬフリをして、避けているだけなのである。しかし、このような限界は破られねばならず、それを越えてこそ、本当の自分の姿が見えてくるのである。いまの私たちには、本来、見えていたものが見えなくなっているのではないだろうか。 |