index< 日誌aj情緒< 24d-17「裂け目」p2


2、向こう側。

狭間の奥の、何も見えない暗い行き止まりの中から、何か得体の知れないシルエットや影のようなものが、じっとこちらをうかがい見つめている。そんな気がしてならず、そう思えてならないのである。

そしてそれが実際に見えたと思えてくるのである。だれか、何か得体の知れないものが、僕をじっと見つめ続けている。いつでも、どこでも、何をしていても、そんな気がしてくるのである。

これは、実は、自分が自分の中で分裂しているのである。そして分裂した自己が、もう一方の自己を他人のように意識して見ているのである。そうした自分の中の精神の分裂が、現実の世界をそのように見せているのである。それは現実の世界に映し出された自分のすがたなのである。

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2018-1029-1010