index< 日誌p変異< 24d-37異人 「捏造」p5


5、アイデンティティー。

実際その通りでなのであって、しかしまたこれが、一般的な普通の人々にして見れば許せないことなのである。それは「自分たち」という自意識とその成り立ちを壊してしまうからである。

能力もやる気も、そして何よりもその「意志」もない人間は、自分たちで団結するしかないのである。そして団結するとは、要するに上下の人間関係のことなのである。そしてこの上下の人間関係が個人の自意識になっているのである。このような人間関係の中で、自分の立場と地位と居場所が与えられているのである。

それは自分で獲得したものではなく、与えられたものであって、だからまた、いつまで経っても他人依存の、上下の関係から抜け出ることがないのである。個人として自律することがないのである。しかしまた、これが自己のアイデンティティーになっているのである。

だからまた、そうである限り、「自分たち」の世界から、自分たちでない者を捏造しデッチ上げて排除し続けなければならない。排除という行為自体が自分たちには必要なのである。これが自分たちという存在の前提なのである。そういう生き方しか出来ないのである。そのようにしか成れない、そういう人間、そうした世界なのである。

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2019-0831-0909