index< 日誌 < y肉体< 24d-52「感覚の世界」p4 |
それは人間が生きている方向であり、傾向であり、特性なのである。あるいは願い求める指向性とでもいったものなのである。そしてまたそれは、自分にとって見れば、これこそが自分自身なのであり、個性であり、他人と区別される自分にしかない「しるし」なのである。 そしてそれはつまり、自己の同一性を見ているのである。自分が自分であるという現実の姿を見ているのである。私たちは自分の感覚でもって現実の世界を見ているし、それにかかわってもいる。 しかし反面、それは同時に、またそれ以上に、自分で自分の感覚の世界を見ているのである。自分の中にある自分自身の感覚の世界を見ている。そしてこれが見える現実世界の意味なのである。 |