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3、幻覚。

確かに僕にはそれが、引き裂かれたカエルの中身のように見えたのだ。色もカタチも確かにそう見えたのだ。しかしまた実際には、色もカタチもほとんどそれとは似ていない、というのが事実なのである。

それが余りにも鮮やか過ぎるというか、出来過ぎたリアルさだったのである。たしかに非常に疲れているときや、寝不足や体調を壊したときなどに、このような幻覚を見てしまうというか、現れるのである。

だからそれが見えたというのも事実だし、そうでないというのも事実なのである。事実というのが、僕の中で観念の世界と現実の世界に分裂しているのである。しかしそれでもやり、僕には確かにそれがカエルの死体に見えたのである。事実、その証拠に、僕はそれを目を凝らし見つめて確かめようとしていたのである。

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2019-1121-1129