index< 日誌 < aa暗示< 24d-74「続、幻覚」p3 |
確かに僕にはそれが、引き裂かれたカエルの中身のように見えたのだ。色もカタチも確かにそう見えたのだ。しかしまた実際には、色もカタチもほとんどそれとは似ていない、というのが事実なのである。 それが余りにも鮮やか過ぎるというか、出来過ぎたリアルさだったのである。たしかに非常に疲れているときや、寝不足や体調を壊したときなどに、このような幻覚を見てしまうというか、現れるのである。 だからそれが見えたというのも事実だし、そうでないというのも事実なのである。事実というのが、僕の中で観念の世界と現実の世界に分裂しているのである。しかしそれでもやり、僕には確かにそれがカエルの死体に見えたのである。事実、その証拠に、僕はそれを目を凝らし見つめて確かめようとしていたのである。 |