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4、自分を意識する自分。

民族や国家は永遠のものでも、始めからあったものでもなく、それまでとは別の元からあった古い型の民族や国家から、それが解体しバラバラに分解されて、そうして再統合を繰り返した結果出来上がったものなのである。

言い換えれば、それは歴史的な出来事なのであり、歴史的な存在であり、その概念なのである。そしてこの歴史的概念の現実から離れた、別の世界から自分の現実を見ているのである。

この「別の世界」というのは、自分にしてみれば自分の頭の中の世界のことである。それは自分の中の観念の世界であって、それが自分と現実の世界を区別しているのである。

そして同時に、自分と外の現実が別の世界であることが意識されているのである。しかしまた、そうして始めて、この現実という世界から出て行くことが出来るのである。新たな異質な世界の住人として、自分を作り変えて行くことが出来るようになったのである。

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2020-0123-0205