index< 日誌 < ai原理< 24E-03遺伝と適応・「条件」p3 |
しかし、例えば天敵におびえる、生まれたばかりの動物の子はどうだろう。生まれたばかりで天敵を知らない子が、どうして天敵を知っているのだろうか。生まれたばかりの動物――人間もそうである――が、苦しみや痛さから逃れるために泣き叫ぶ。そうした行為もそうであるが、親もそれを聞き分けている。 こうしたことは本能的な遺伝によるものであると共に、生後の学習も密接に絡み合い、同時に関係しているのではないだろうか。従って、それが遺伝なのか適応なのかというのが、明確に区分出来ないのである。 ただそれが、本人の事情と環境の条件からそのようにしかなれないし、また、そうしてのみ生きて行くことが出来たということである。そしてそれが現在、そうやって生きて存在しているということ自体が、それが遺伝と適応の合作であることを証明しているのである。 |