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| 蒼白になるのは血の気が失せる、すなわち、本来たまって滞留するはずの血液が、そのままの状態から解体されて、そして飽和し消えて行くということである。突発的で急激な筋肉運動に備えて用意されていた血液が、反対に、その運動の備えから突然消えるということである。 望みや目的や意図といった積極的な意志が消えて、それらが失われ分散し解体され消えて行くということである。だから、顔面から血の気が失せて蒼白になっているのである。 これは感情が興奮して顔面に血の気が多くなり赤くなるのとは反対の現象である。むしろ、興奮すべきところで興奮出来なくなった状態、そうした「あきらめ」が意識されたときの、意志の沈潜と解体と消失の生理の動きなのである。 |