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同じ毛細血管の弛緩でも、一方は、筋肉が緊張したまま血液が身体表面に留まり続けて、次の動作への血液の最大限の動員を可能にしている。言わば、そうした噴火直前の状態なのである。そしてこれが顔面を赤くさせているのである。 しかし同じ毛細血管の弛緩でも、顔面が蒼白になる場合はそれとは全く正反対の場合である。つまり、血流と筋肉が解き放され、速やかに拡がり引いてゆく。そして緩み飽和し消失している。心臓からの血流の圧力そのものも喪失しているのである。 それは赤面のように血液を留めるのではなく、むしろそうした潤いが無くなって萎えた状態である。血液と溜めるのではなく、それがどこかへと消え失せた状態である。つまり、こうした状態では何も出来ず、何もしようがないのである。言い換えると、これが絶望や恐や怯(おび)えの状態なのである。 |