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夢の中。 何か忘れられている。何かが消えていて、失われている。何かしなければならないことがあったのだ。心の中のどこかで何かもどかしく、わずらわしく、それでも、それゆえに何かを求め、しなければならない何かがあったのだ。 そうだ、これは仕事できていたのだ。たいした仕事でもなく、どうでも良いようなつまらない仕事ではあるが、それでも僕には生活がかかっている。ここはどこかの展示場のロビーで、僕はここでガードマンの仕事をしていたのだ。 それでも少し、ほんのすこしだけやりがいもある。ロビーには様々な絵画や工芸品が置かれていて、僕はそれを見ながら巡回している。そうだ、女のハダカの彫刻もある。思わず触れて撫でまわしている。しかし、すぐに離れる。近くで人が見ているかも知れないのだ。 |