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そして現実とは別の、そしてそこから離れたところで、人間にとって何か得体の知れない、自分でもなぜだか分からない不可解な心情や、気分といったものを惹き起こすことが多々あったのである。 これは「色」自体が意識されてきた、そのかかわりかたと関係している。すなわち、本来の用途や目的から識別されてきた色というのが、そうした現実の必要や目的から切り離されて、その印象だけが抽象化して感覚されているのである。 そしてこの抽象化された印象が、それだけで何かしらの情緒や生理の象徴化された感覚を呼び起こしているのである。 |