| index＜ 日誌 ＜ au2錯覚 ＜ 24E-76「実証的」p8 |
| 昔話し、言い伝え、神話、あるいは怪談などは思い込みと幻想の世界であって、何ら実証的ではないのである。しかし実はこうした実証的でないというのが、反対に、無意識のより本質的な真実というのを表わしている。自分たちが本当に言い残し伝えたかったものを直接に映し出しているのである。 実証的というのは、それ自体がすでに実証する側の意図に従って、それが「実証」されるのである。つまり、それ自体がすでに実証する側の利害と立場を反映しているのである。 またこのような個人的な願望がその動機になっていて、またこれが事実探求の出発点になっている。そうした意味で実証的というのはきわめて怪しいのである。 |