「儒教世界」

〜2、根拠。


情緒や感じ方、考え方もそうである。王に対する忠誠と家父長制の上下関係こそが絶対不変のものとして、無意識のうちに絶対化される。それは、思考と意識の世界がそうであるというよりも、それ以前に生き方や暮らし方、感じ方がそうなのである。そうやって永遠に変わることのない絶対的なものとして固定される。

それは民族としての「種」の維持と、それを成り立たせ形作った風土の制約された条件が生み出したものである。それは東アジアの場合、稲作と人口の集中という自然条件から出発した儒教的なシステムの固定化として現れている。変化する柔軟な対応といったものが否定され、そしてまた、その変化の原因となる異質なものが、あらかじめ排除されるというシステムの上に成り立つ社会である。

戻る。              つづく。