「古代ローマの自意識」

〜3、場面。


ローマ帝国の世界支配は、個人の外面だけをどうこうするものであて、内面には立ち入らず、内面は無視する。しかしまた、そうやって多民族の多様な民族の統合を成し得たのである。しかし、それは同時に、精神が壊れ分裂し、引き裂かれ、内面に引きこもる。

そしてこの引きこもりが、自意識の認識の場所となったのである。それは自己の外面に対立する内面の自覚である。そしてこうしたことは、自己の内部で自覚される自己意識である。自分で自分を意識している。

対立し破壊され失うがゆえに反発せざるを得ず、そしてまたこれが、自律的な自己意識とならざるを得ないのである。またそうして自分というのが自分の中で意識されたのである。

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