「異人種」
〜3、バランス。
こうしたシステムは自分たちの奴隷を必要とするのであって、自分が誰かに「主人」として仕える者なら、自分もまた誰かを奴隷として従えなかえればならないのである。自分より「上の者」を認めるなら、それは同時に自分より「下の者」がどうしても必要なのである。そうやって始めて自分が奴隷であることを逃れることが出来るのである。みんなと同じ普通で居られるのである。蔑みの対象とならずに済むのである。 「ご主人様」という神様がおられるなら、それは同時に、「悪者」という卑しく蔑まれるべき人間がどうしても必要なのである。そうやって社会がバランスされ、支持もされ、まただれもがそうやって納得するのである。そしてそれが誰にとってもの、「自意識」となっているのである。それは自分たちが心の奥底で信じているもののことである。社会全体の共有された自意識、暗黙の了解、シキタリなのである。 そうやって自分というのが普通で安定した、誰からもターゲットにされない、みんなと同じの当たり前の人間と思えても来るし、そしてまた、まわりのみんなもそのように見てくれるのである。そうやって安心して、だれからも見下されることも、イジメられることもなく、安心してみんなと一緒に生きて行けるのである。これがバランスというものなのである。 |