「自律」

〜6、原理。


どういうことかというと、感じ方や考え方、それに感情といったものが、まわりの人々と違うのである。ということは、世間のオキテや常識とは必ずしも一致しない人間だということである。世の中のシステムやルールと違う原理で、異質で異なる別の世界を生きているのである。だからまた、体制の中で正直に生きている人間から見ると、非常に怪しい人間に見えるのである。

それが善いとか悪いとか、正しいとか間違っているとか、そんなことはどうでもよいことなのだ。肝心なこと、最も重要なことは、世の中を支配しているシステムの原理と一致しているかどうか、というだけなのである。

そして、この原理と異なる異質な原理を生きているというのが、周りのみんなとどこか違う、わけのわからない、何を考えているのかわからない人間なのである。それは自分のすべてが否定され、生きて行く方法のない人間のことなのである。社会から排除されるべき人間なのである。

社会、特に学校の教師、職場の上司、そして何よりも警察がそのように見なすのである。従ってまた、社会から排除され隔離されて、自分で自分を生きて行くしかない人間なのである。あるいはまた、生きて行く方法というのが非常に際限なく限られた世界なのである。こうした社会では「教育の機会均等」、「職業選択の自由」などというのはもちろんウソである。何よりも警察がその偽善の強力な保証人となっている。

もどる。             つづく。