「異人種」
〜13、リズム。
それは自己同一でありつつも、変化し移り行く感覚のリズムであり、サイクルであり、パターンであり、そしてまた視覚や聴覚や触覚等あまねく感覚が総合的に作用し合うアンサンブルであり、精神のバランスなのである。私たちは、そうしたことを古代の遺跡や文物、あるいは絵画や彫像、あるいはまた、神話や言い伝えやシキタリや習慣の中に嫌が上にも見てしまわないだろうか。 そしてまた、これが人間を支配し決定づけている根源的で避けることも、逃げることも出来ない、現実に生きている人間そのものが持っている、本質的な存在の必然性ではないだろうか。 そして、すべてはこのような自分の中にある、意識されざる無意識の世界から来ていると思えてくるのである。そしてこれが人間を支配し、決定し、そしてまた、ここから人間というのが規定されていると思えてくる。人間の生き方や感じ方、そして文化の様式、生産と生存の方式、あるいは社会のシステム、・・・等々といった、そうしたすべてのことの根源にあると思えてくるのである。 |