「さまようタマシイ」
〜9、純粋。
古代の神事やシャーマニズムで、祭司が自分自身の肉体を極限状態の麻痺と陶酔の中に没入していって、現実世界から隔離された純粋な感覚の世界の中で、神のお告げを聞こうとする。 それはそうやって自己の肉体の中で、祖先の魂(たましい)に訊(たず)ねているのである。それは他人から、あるいは自分の外から聞こえてくるものでも、あるいは誰かに教えられたり知らされたり押し付けられたりするものではなくて、自分の中で、純粋に自分の肉体の中から聞こえてくるものなのである。 聞こえもするし、感じられもするし、なにかのイメージや気配としても感じられてくる。それは衝動とか本能、あるいは人間の本性とでもいうべきもので、それが何かのキッカケでふっと外へ出てくるのである。 |