17目次へ < 17-0217:「上下関係」。
〜2、セット。
媒介するだけであるから、社会は上と下だけの関係となる。圧倒的多数を占める、社会の中間に位置する者は、自分自身に推進力を持たないので、常に下の者を必要とする。下の者に対する差別と抑圧が、これら中間層の存在の前提となる。 そうした、自分よりも下の者がいるからこそ、自分もまた上の者からの抑圧に耐えられるのであって、また、それを正当化し得るのであり、良しともし得るのである。まさに、こうした上下関係こそが、このシステムの必須の前提なのであり、システムの掟(オキテ)システムそのものとなっている。 フツーとか、みんなと同じというのは、まさにこのことなのであって、その中にいる者、すなわち「中間層」を指している。また、この「中間」という言葉の意味自体が、外でも端(はじ)でも、上でも下でもなく、みんなの中にいることを意味している。しかしまた、だからこそ安心もし、落ち着くこともできるのである。 中間にいる、また、「普通」であるという意味は、このことである。それは、ある意味で犯罪的なのである。それは社会全体の文化や伝統、常識をも巻き込んだ集団的・社会的犯罪行為であって、だれもがそうだから、だれもそれに気づくことがなく、それが当り前の、当然のこととして常識となっている。しかし、やはりそれは犯罪なのである。 そして、こうしたシステムを成り立たせ、存続し続けるためには、差別と抑圧が必須の前提となる。だから、どこでも王様(皇帝)と平民、そして被差別民が、必ずセットで用意されている。そのうち、どれか一つでも欠けると、システムとして成り立たないのである。歴史上、これを欠く文明のシステムを私(筆者)は見たことがない。 戻る。 続く。 |