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〜3、シアワセ。


あるのは勝手気ままな気楽さや、気まぐれだけである。意思なき情緒だけで世の中が動いている。自分自身というのを見失っていて、そもそも心の中に、そうしたものが入る余地がないのである。自分自身というのが入る「入れもの」が、心の中に無いのである。もともと、自己意識というのが無いのである。

だから、それが不思議とも思わないし、不便とも、不自由とも思わい。そうした社会システムの中で生きて来たのである。何十何百年という長い歴史の中でそのようにしつけられ、受け継がれ、守り続けてきたのである。文化や伝統、作法や習慣、ならわしやシキタリといったものがそうである。

このような、自分というのを喪失した精神は、気ままで、思いのままであって、上位者に逆らわない限り、どんなことでも許される。そうした、意思なき感情だけが支配する世界。そうやって生きて行ける社会である。このような自分自身に対して責任のない世界、だからシアワセなのである。どんなことでも、なにをやっても許されると思えてくるのである。自分が生きるも死ぬも、そんなことはどうでもよい、ヘッチャラなことのように思えてくるのである。

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