< 「情緒」
〜3、生理作用。
心臓に対する圧迫は、たしかに空気が重く感じられるし、
希望や望みの無いときは、やはり、
空気も暗く感じられるのである。
これは情緒の世界であって、知らぬ間に、
自分を包む空気に自分が支配されているのである。
空気自体は何も変わらずに、
自分自身の神経や生理作用が苦しいだけなのに、
それが何か、空気が変わったように思えて来るのである。
実際、追い詰められプレッシャーを受ける心臓は、
動揺し、混乱していて、それが息を詰まらせ、
胸をつらく苦しいものにしている。
そうした生理作用の困難さが、まるで自分の外の、
空気の重さとして感じられているのである。
めまいや、空気の暗さもそうである。
生きる望(のぞ)みや、目標を見失った人間にとっては、
目に見える何もかもが、意味のないものに見えて来て、
どうでもよい、何か暗いものとして感じられて来る。
空気自体が暗いのではなくて、
それを見ている自分の感覚が機能不全になっていて、
何もかもがどうでもよい、暗い感じになってしまうのである。
戻る。 続く。
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