< 「未知の記憶」

〜4、幻(まぼろし)。


幻覚・幻聴ということもあるが、それは、無いものを見ているのではない。現実には無くても、頭の中にはたしかに有るのである。幻(まぼろし)である以前に、何かが有るというのも事実であって、その感じ方の表現が、人間の感覚ではうまく表現できないでいるのである。

何かの「感じ」として感覚で表現できない、そうしたカタチにならない感覚というのは幻覚に過ぎないのである。しかしそれでも、そこには何かあるからこそ幻となって出てきているのである。それは「幻(まぼろし)」としてしか表現できないものなのである。

確かに何かが有るのであるが、要は、それが正確に感覚として反映されずにいる、ということなのである。自分でもわからないこと、未知のことを感覚は正確に反映できずに、苦しんでいる状態なのである。だから、訳のわからない幻のようにも見えてくるのである。

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